最近「先進医療」という言葉をよく見かけますね。
ところで「先進医療」ってどんなものでしょう?
先進医療とは、将来的に保険導入が期待されている医療技術で厚生労働大臣が承認したものをいいます。従来に比べ治療の選択肢を広げ、利便性を高める目的で健康保険診療との併用が認められているため、先進医療以外の費用は健康保険の対象となります。(自由診療と健康保険診療を併用した場合は、すべてが全額自己負担となります)
先進医療の代表的なものとして、がん治療に利用されている重粒子線(炭素線)や陽子線などがあります。これらは悪性腫瘍を狙い撃ちで治療する方法で、エネルギーががん細胞付近で最大になるため、がんの形に合わせて治療ができるとされています。
しかし、先進医療は健康保険の対象外となっているため、その技術料は全額自己負担となります。厚生労働省の平成20実績報告では、重粒子線治療の平均費用が約308万円、悪性腫瘍に対する陽子線治療で約285万円となっています。
ところが、先進医療はどこの医療機関でも受けられるわけではありません。仮に先進医療の対象となっている医療技術と同等の診療や検査を行っている医療機関であっても、その医療機関が、厚生労働大臣が定める施設基準に適合していなければ「先進医療」と認められません。
つまり「医療技術」と「医療機関」が共に厚生労働大臣に承認されて、はじめて先進医療として認められるのです。
現在ではこの先進医療による療養を受けた場合に、先進医療に係わる技術料相当額(支払限度あり)を保障する医療保険やがん保険があります。先進医療の技術料は全額自己負担となりますので、医療保険を選ぶ際は先進医療特約も検討されるとよいでしょう。
また、先進医療は毎月更新されますので、現在「先進医療」となっていても、将来は「保険適用医療」となるものや、「自由診療(保険適用外)」となるものもありますのでご注意下さい。
※先進医療について、詳しくは厚生労働省のホームページをご参照下さい。
PR